矢口史靖監督の『サバイバルファミリー』を見てきたので感想でも。
気軽に書こうと思ったら4,000文字近くになってしまった。
『ここまでサバイバルファミリーについて書いてるサイトも少ないよねーSEO的にはかなり良いよねーでもサイト自体が弱いからそんなにだよねー』とボヤきつつ、さらりと書いてみました。
映画の内容もかなり書いているので、『内容を知った上で見たい』という人にはいいけど、『これから見るから内容教えてくれるな』という人はタイトル通り【※ネタバレ注意】ですよ。
今回は『矢口史靖』だから見てきたのだ
矢口史靖監督といえば『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』ばっかり評価されていますが、それよりも良い映画はいっぱいあるんです。
『ロボジー』だって、
http://app.amazlet.com/amazlet/?__mode=asinsearch&locale=jp&asin=B0081RN3CG&affiliate_id=nooetokyo-22
『ウッジョブ』だって。
売り上げランキング: 2,785
良質な映画がいっぱいあるわけですよー。
今回この映画を見るにあたって矢口監督のことを色々調べてみました。
まずは神奈川県伊勢原市出身なんですね。
隣の厚木市出身の私としてはかなり親近感です。
そして矢口監督の映画といえば、【主人公が鈴木で統一されている】らしい。
たしかに『ウォーターボーイズ』では主人公鈴木智(妻夫木聡)、『スウィングガールズ』では鈴木友子(上野樹里)、『ハッピーフライト』では鈴木和博(田辺誠一)、『ロボジー』では鈴木重光(ミッキー・カーチス)。
あれ?
『ウッジョブ』の主人公は平野勇気(染谷将太)ですね。
これは原作の登場人物名をそのまま使用しているためそうなったようです。
そして今回の『サバイバルファミリー』の主人公は、鈴木ファミリー(小日向文世、深津絵里、泉澤祐希、葵わかな)。
あらすじ
東京で暮ら平凡な鈴木家が、ある日突然原因不明の電気消滅によって大混乱。
鈴木家は家族を連れて東京を脱出することを決意するが、その先に待っていたのは…。
東京から脱出しようと奮闘する鈴木家をコミカルに描いています。
我々は普段、当たり前のように電化製品に囲まれた生活を送っています。
いま私が文章を書いているこのパソコン、この寒い寒い時期を一緒に乗り越えてくれるエアコン。
全てがストップしてしまうと、ぶっちゃけ生きていけませんよね。
この映画では電気だけでなく交通機関や電話、ガス、水道まで完全にストップ。
【ロレックスよりマセラティより、1本の水が価値のある世界】
ということで試写会行ってきました
内容的には予告編で予想できる内容が延々続く。
まぁ矢口監督の映画って大体そうか。
葵わかな演じる結衣はスマホで音楽を聞きながらLINEに夢中。
泉澤祐希演じる賢司は大学の講義内容を好きな子にPCで送信。
2人ともスマホやPCが手放せない。
最初は電気のストップで大混乱しており、一週間経って鹿児島へ向かう際にも電源の切れたスマホを持っていくが、それが1ヶ月2ヶ月続くにつれ、電気が復旧しないと悟りスマホを捨てる。
深津絵里演じる光恵は、台所で魚もまったく捌けないのを見て『それくらいは捌けよ』と思ったが、よくよく考えたら鹿児島の父からよくわからない魚を丸々一匹送られてきてるんだから、まぁ捌けなくてもしょうがないかと後から思うようにはなった。
ある日、朝起きると目覚ましが止まっていて何時かわからない。
スマホもパソコンも電源が入らず(充電してれば入るだろと思いつつ)、時間を確認しようと時報にかけようとしても電話が使えない。
急いで家を出るが、マンションのエレベーターがストップしており、階段で降りるはめに。。。。
この映画の鈴木一家はおそらく5階か6階くらいっぽかったけど、こういう時に高層マンションってきついなと思う。
高層マンションだとゴキブリが出にくいという最高のメリットがあるが、侵入してくる時は高層だろうとやってくるし、やはり災害時にはかなり不便だなと。
『ある程度金に余裕があれば二桁階いいなー』と思ってるのに。。。。
東京中の電気がストップし、電車もストップ。駅は封鎖され街中大混乱。
交通の足を失い駅前に群がる人々。
普通の停電なら『一時間か二時間待てば動くだろう』と思うだろう。
それならわざわざタクシーに乗るまでもないし、ここで待っていればいい。遅延証明書も出るしね。
しかし一向に動く気配がないので、歩いて会社に向かう義之。
会社に着いてもビルのセキュリティが開かない。エントランスのガラスを割ってみんなで入るが、電気も使えないのでパソコンも点かない。
会社で使う資料はすべてパソコンの中なので、仕事も出来ず帰宅。もちろん歩いて。
途中自転車を買うが、これは東日本大震災の時も結構そうだったみたいね。
たしかにこういう時の自転車は万能。
帰宅しても電気は復旧せず、トイレの水さえ流れない。ローソク大活躍。
スーパーではレジが使えず、クレジットカードが使えない。
日本でも1993年に米騒動があったのは、30代以上ならなんとなく覚えているはず。
(1993年米騒動 – Wikipedia)
やはりこういう時に備えて、水や日持ちする食料、ティッシュなどの生活品は多少備蓄しておくのが理想。
話戻って。
銀行の預金引き出しはATMが使えないので、窓口に殺到。
数日経っても電気が回復せず、スーパーではだんだんと食料が不足し高騰していく。
関西では電気が通っているという噂を信じ、羽田空港へ向かう。
目的は羽田から飛行機で関西へ向かうことだ。
映画を見ているほぼ100%が『この状況で飛行機飛ぶはずねえだろ』とツッコんでいたはずだが、案の定羽田から飛行機は飛んでおらず。
東京の自宅から羽田まで行くのに一日チャリ漕いで行ったのに。
途中、路上で食料を売る人たち。
ペットボトルの水1本500円。高い。
スルーすると、1本1,000円。
しまいには1本2,500円と、最初に買っておけば感満載。
ホテルは1人1泊3万円。もちろん電気も風呂もトイレも使えない。
そして鈴木一家は、そのまま自転車で鹿児島へ行くことを決意する。
途中『高速で行こう』ということになり、自転車で高速へ侵入すると、そこには『大阪には電気がある』という噂話を信じた人の群れが。
無心にチャリを漕いで、ひたすら関西方面へ。
最初の野宿では食料を奪われる。
この映画はサバイバルコメディだからそういった笑えるものばかり描かれているが、実際の災害ではこんなものではないだろう。
そして途中、時任三郎演じる斎藤敏夫の斎藤一家と出会う。
斎藤一家は、どこかこの災害を楽しんでおり、生えている食べれる雑草や虫を食べたりしていた。
たしかに災害時に生き残れるか生き残れないかの差は、こういうところで出るかもしれない。
実際、父義之が我慢できずに川の水を飲んで壮大な下痢をした。
普段からあまりにも自身を過保護にしている現代人はかなり菌への耐性が弱まっており、鍛えておくためにも爪くらい噛んでおいた方がいいかもしれないと思ってしまった。
そして大阪へ着いたが、やはりライフラインは止まった状態だった。
災害時はデマ情報が交錯するから気をつけたいところ。
ここで結衣がブチ切れ。
今回はこの結衣が特によかった。
ダメ親父への軽蔑の目や悲鳴、ブチ切れた時とか、喜怒哀楽が超素直な感じで最高だった。
葵わかなの名前はこれで覚えた。
『何もできないじゃん』と切れる子供2人に、光恵が『最初からわかってたでしょ。お父さんが何もできないなんて!!』に会場大爆笑。
喧嘩していても事態は変わらないので進むことに。
須磨海浜水族園では水族館の魚で炊き出しが行われていた。
しかしギリギリこの炊き出しにもありつけない鈴木一家。
岡山県の畑近辺で途方に暮れていると、一匹の豚が。
捕まえるも農家のものとわかり、そのまま農家の老人に着いて行く。
ここでは自給自足しているので、食べたりするのにはそんなに困らなかった。
『手伝いしてくれるならこのままいてもいい』ということだったが、鈴木一家は鹿児島を目指すことにした。
衣食住が保証されているのに、なぜそれが不確定な鹿児島を目指すのか自分には意味不明だったが。。。。
そして地図通りに進むも目の前には川が。
引き返して遠回りすればいいものを、簡易的な船を作って自転車ごと渡ることに。。。。
ここで父義之が川に溺れていなくなってしまう。
結果的には生きていて再開できるのだが、そこは映画ならでは。
川は本当にこわい。自分を過信しないようにしなくてはいけない。
私はやはり引き返すべきだったと思う。
そしてなんやかんやあり鹿児島にたどり着き、それから2年と126日間鹿児島で生活することになる。
そしてまたある日突然、謎の電気復旧。
普通の生活に戻って終わり。
何か大きなオチがあるとかではないけど、『災害』に対して改めて考えることになった作品だった。
小学校や中学校が惰性でやっている災害訓練よりも、これを授業で見せた方がよっぽど良いんじゃないかと思うくらい。
試写会でもらった
試写会でパンフレットと一緒に入っていたのは『ロケ地マップ&サバイバルブック』。
開いてみると、ストーリーの状況に合わせた対処法などが載っている。
が、そんなに深い対処法が書いてあるわけもなく、あくまでざっくりです。
そして上映終了後にはロケ地である仙台市が作っている水道水ボトルドウォーター『ごくり◇きらり せんだい』を2本もらった。
こういうのはなんか嬉しい。
最後に
『ロケ地マップ&サバイバルブック』を見ているとこんな文章が。
すべてがOFFになると
になると人間がONになる
すべてがOFFになるとになると人間がONになる
になるとになると人間がONになる
になるとになると
【廃墟寸前となった東京を脱出した一家のサバイバルコメディ】
オススメです!!
映画『サバイバルファミリー』公式サイト