最近図書館によく行くようになったこともあり、要約や書評だけでなく、ちゃんと本を読むようになりました。
そして前々から読みたいと思っていた本をようやく読了。
それがこちら。
熔ける…
カジノに入れ込み、注ぎ込んだ総額106億8000万円。
まぁ有名な話なので知ってる人もいると思いますが、なかなかのノンフィクションですよ。
大企業・大王製紙の創業家に生まれ、中高一貫校の国立高から現役で東大に合格。20代で子会社社長、42歳で大王製紙社長就任、芸能人や財界人との派手な交友。
『お坊ちゃんのドラ息子が!!』
って思ってる人も多いかもしれません。
(実際私がそうでした)
しかし本書を読むと、気品溢れる文章といいますか、、、、
『過去に作家業の経験でもおありですか?』と聞きたくなるような、本当に小説を読んでいるような空気に包まれる文章でした。
おそらくかなりの読書家だったのではないかと。
(実際刑務所では相当数の本を読んだとか)
ちなみに私は井川氏がホリエモンチャンネルに出てるのを見て、初めて喋る井川氏を見たわけですが、イメージしていたよりもかなり品がある。。。。
これが品ってやつか。。。。
ということで簡単にレビューしますが、、、、
まず『カジノで熔かした話をたくさん聞きたい』という方は残念。
序盤こそカジノの話は出るものの、それ以降は井川の生い立ち、名古屋パルプ再生、大王製紙社長就任と、なかなかカジノの話が出てきません。
そしてようやくカジノの話が出てきたのがページ中268ページ中167ページ。
62%も経過してようやくカジノの話に突入します。
なんだか愚痴っぽくなりましたが、ゆったり感想書きます。
『熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録』を読んで
修羅場の様相はまるでヤクザ
名古屋パルプ時代の井川が最も苦労したのは『資金繰り』らしいですが、切り抜け方などを見ていると、修羅場の様相はまるでヤクザです。
銀行の支店長に融資を渋られたことで資金繰りに困った井川氏は、支店長を飛び越えて銀行の副頭取を尋ねます。
銀行の融資におけるマナーみたいなものはよくわかりませんが、副頭取に『マナー違反』と叱責されているあたり、マナー違反なのでしょう。
禁じ手ではあったらしいですが、この交渉が功を奏し、融資がおりたとか。
子供の頃、親に『子供は決まった勉強だけ覚えておけば良い点数が取れるけど、大人になったら不可能を可能にしなきゃいけない場面もある』というようなことを言われたのを思い出しました。
抽象表現を嫌う
井川氏は、大王製紙を立て直す中で、かなり部下には厳しかったようですが、中でも『抽象表現を嫌う』というのが印象的でした。
『何をどう削減するのか?』
『どうやって?』
『何を?』
など、具体性のない提案を厳しく叱責し、常に具体的な提案を求めていました。
抽象的な誰得意見は会社や組織にいるとよく遭遇しますが、せめて自分がこれから作っていく企画にはガシガシ本音で望みたいですね。
(根性論も嫌いじゃない)
ノリオ校閲1
114ページ。
ここまで畳みかけると、大人数の会場でも全参加者に緊張感に包まれる。
最後の『に』が重複する部分に違和感が。。。。
『大人数の会場でも全参加者に緊張感に包まれる。』→『大人数の会場でも全参加者が緊張感に包まれる。』
これでいいんじゃないかと。
なんだか揚げ足とってるみたいですが、逆にいうと、それ意外は完璧。しかも難しい言葉も多様されており、インテリジェンスすら感じました。
(まぁインテリか)
ノリオ校閲2
254ページ。
「バクチをやる人間は、結局のところ皆バクチに向いていない」
の対義として、
「バクチやらない人間ほどバクチに向いている」
とあるのですが、『バクチを』になっていないのが少し気持ち悪かったですね。
(まぁどうでもいいけど)
まとめ
私を知っている人は私がバクチ好きなのは知っていると思います。
このブログでも競馬をはじめ、最近ではポーカー、麻雀も覚えました。
種銭がないからやらないだけで、あれば相当やっている可能性もあります。
パチンコやパチスロは音がうるさいし、本当に自分の実力で勝っているのかがよくわからないので、どうも楽しくありません。宝くじも同様。
もし今後、日本にカジノができてしまったら、私の財産は最後…
(でも早くできてほしい)
井川氏の著書は、すでに次の『東大から刑務所へ』が出ています。
これが続編にあたるかはわかりませんが、【はじめに】を読む限り、続編と考えてもよさそうです。
まだ読んでいないですが、ドラマのセカンドシーズンを見るみたいに、早くもソワソワしています。
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