オカリンメモ

【エスパー魔美】衝撃の問題作『リアリズム殺人事件』についてVol.6

投稿日:2017年9月19日 更新日:

【エスパー魔美】衝撃の問題作『リアリズム殺人事件』についてVol.5の続き

原作をアニメ化するとき、出来る限り忠実に原作を再現しようとすることが多いと思うのだが、まれに原作からストーリーを大きく変えてしまうことがある。

こういう場合、原作者の指示がある場合や、原作者と相談の上で変更するのが当然かと思いきや、原作者はノータッチであることもあるようだ。

以前、ある作品で原作者がオンエアで初めて変更されているのを見て、ツイッターで何かコメントをしたところ炎上し、火消しに追われるということがあったように思う。

この辺りの業界の通例がどのようになっているのかは全く知らないのだが、おそらくこのエスパー魔美の『リアリズム殺人事件』も藤子・F・不二雄先生の指示や相談の上での改変ではないのではないか、と思う。

ここからはアニメ制作者がどのような考えで、アニメ版『リアリズム殺人事件!?』を描き上げたのか、完全なる想像で適当なことを言ってみたい。

魔美に超能力を使わせなかった理由

アニメ版『リアリズム殺人事件!?』では、魔美の超能力の出番がほとんどない。

最初に女性が自殺しようとしたところでも、超能力を使おうとしたタイミングで、監督が女性を救う。

最後も牛車とともに焼かれていたのが人形だと気がついたため、超能力を使う必要はなかった。

使った超能力と言えば現場への移動のためのテレポートぐらいだ。

しかもはっきり言って、このストーリーは魔美や高畑さんがいなくてもかまわない。

ドラえもんとのび太がどこでもドアを使って移動して見てきたことにしてもいいし、藤子キャラは誰も出演せず、監督と女性だけで成り立つのだ。

原作では、魔美が超能力で女性が自殺しようとするのを救ったり、焼き殺されそうになるところを救ったりと大活躍だ。

さらに映画のセットやフィルム、竜王子監督自身も焼き尽くしてしまったのも魔美の超能力の副作用である。

なぜ、アニメ版では魔美に活躍させなかったのだろうか。

これはテーマが『リアリズム』だからではないか、と勝手にこじつけたい。

超能力や四次元ポケットがなくても、実際に自殺しようとした女性を映画監督がスカウトして、名作を作り上げるということはあり得る。

万が一自殺を考えているような人がいたとして、現実ではあり得ない方法でしか救われない世界ではなく、現実にあり得る方法で救われる場合もあることを提示してあげたかったのではないか、と言うと言い過ぎかもしれないが。



クリエイターの怒り説

最近は特にそうだが、昔から過激なフィクションは子供の教育によくないと言われがちだ。

フィクションの世界と現実の世界の区別がつかなくなって、凶悪な犯罪をおかす人が出てきたらどうするんだ!という意味不明な非難をする人がたくさんいる。

それによって作品を歪められたり、公表できずにお蔵入りになってしまって、涙を飲んだクリエイターも多いのではないだろうか。

原作版の『リアリズム殺人事件』は『地獄変』というフィクションのせいで、現実に女性を焼き殺すところを撮影したいと思った監督が出てくる。

もちろんそれはよくないことだということで、魔美に罰せられるストーリーなのだが、アニメ版の監督はそもそもそんなバカな発想はしない。

過激なフィクションに取り憑かれて、現実で犯罪をおかす人がいるなんて発想自体がバカげている、と言いたかったのではないだろうか。

アニメ内での監督のセリフ

「映画は所詮まやかしだよ。
そのまやかしが素晴らしいんだ。
そのまやかしが人を感動させ、涙させるんだ。
そしてそのまやかしが芸術というものなのさ。」

これはクリエイター自身の言葉だと思う。

とはいえ「模倣犯というのは現実にいるし、少しでも危険を減らすために規制は必要だ」という意見は今後も叫ばれ続けるだろうし、作り手側も忖度に忖度を重ねて自己規制を強化していくだろう。

それによって本当に犯罪は減るだろうか。

フィクションの内容が犯罪の源泉になるのではなく、現実社会における苦しみなどが源泉となり、結果としてフィクションの模倣という形になる場合もある、と思うのだが、そんな意見は通用しないのだろう。

次回はラスト。
どうでもいいオマケで締めたいと思う。

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