ノリオメモ

次世代型組織『ティール組織』は、新しい形の組織として定着するか

投稿日:2018年7月6日 更新日:

ようやく読みたい本を読むことができました。

それがこちら。ティール組織。

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現
フレデリック・ラルー
英治出版 (2018-01-24)
売り上げランキング: 126

まず「ティール組織」とは、著者のフレデリック・ラルーが提唱している組織形態で、パラダイムの変化によって、以下のように分類されます。

①無色
血縁関係中心の小集団で10人程度。自己と他者、環境という区別がない。

②マゼンタ(神秘的)
数百人で構成される部族。自己と他者の区別はあるが、世界の中心は自分。

③レッド(衝動的)
数百人から数万人の規模。力、恐怖による支配。マフィア、ギャング、ジャイアン。

④アンバー(順応型)
部族社会から農業、国家、文明、官僚制の時代へ。時代の流れによる因果関係を理解し、計画が可能になる。規則や階層構造の誕生。

⑤オレンジ(達成型)
科学技術の発展と、イノベーション、起業家精神の時代。実力主義の誕生。多国籍企業。

⑥グリーン(多元型)
多様性、平等、文化を重視するコミュニテイ型。ボトムアップの意思決定。多数のステークホルダー。

⑦ティール(進化型)
変化の激しい時代における生命体型組織の時代へ。自主経営、全体性、存在目的を重視する独自の慣行。

著書の第Ⅰ部では、①〜⑥までの歴史が記載されていますが、今回は割愛して、みんなが知りたい【⑦ティール(進化型)】にだけ焦点を当てたいと思います。

ちなみにこちらの本、なかなかボリューミーです。
(567ページ 、重くて持ち運びに難あり)

興味のある人は自分で読んでみるか、いくつかの要約・書評を読んで補うなどがオススメです。

ティール組織の構造

組織について、【⑤オレンジ(達成型)】は「機械」、【⑥グリーン(多元型)】は「家族」に例えられていますが、【⑦ティール(進化型)】は「生命体」として捉えています。

そしてティール組織の構造を説明する上で、以下の3つのキーワードが重要になってきます。

・自主経営
・全体性
・存在目的

大組織にあっても、階層やコンセンサスに頼ることなく、仲間との関係性の中で動き、自分をさらけ出し、組織が「将来どうなりたいのか」「どのような目的を達成したいのか」に耳を傾けると。

紛争の解決

組織の中にいると、組織内でのトラブルは珍しくありません。過去にそういう場面を何度も見てきたし、自分がトラブる場合だってあります。時には内部で足を引っ張り合い、両者、沼底へ。なんてことも。

本書の調査対象であるモーニング・スター社は、カリフォルニアにある、世界最大のトマト加工会社です。

モーニング・スター社では、基本原則にこんな言葉を掲げています。

・個人は決してたほかの人に何かを強制してはいけない
・それぞれの約束(コミットメント)を守ること

本書では、「他の社員が仕事をサボって自分の分担を果たさない場合」の例として、以下のプロセスで解決しているとのこと。

①まずは二人だけで解決。口火を切る側は、お願いを明確に述べ、相手側はその要請に対して明確に返答。
②2人が信頼できる別の同僚を調停者に指名。2人が合意点を見るけられるようサポートするが、解決策を強制はできない。
③その問題に関連する同僚で委員会を作り、合意形成の手伝いをする。
④社長が出席し、共に合意形成の手伝いをする。

プロセスをざっくりまとめると、なんだか小学生の喧嘩の仲裁みたいだけど、人は気づかぬうちに自分の価値観を相手に押し付けてしまうことがあるので、概ね正しい解決策なのかもしれません。

徹底的に簡素化されたプロジェクト・マネジメント

調査対象になっている企業の一つ、サン・ハイドローリックスは、従業員900名で、油圧カートリッジ・バルブとマニホールドの設計製造を手がけている世界的メーカー(私は初耳でしたが)。

サンには品質管理部門も、スケジュール管理部門も、購買部門もないそうで、100%自由時間。全体計画も、プロジェクト計画書もない。

「本当かな?」と疑いたくなりますが、一応本当らしい。

ただ各々が自由に好き勝手やっていたら、ただのバラバラ行動になってしまうので、組織に属する者として、上記に書いたような【組織が「将来どうなりたいのか」「どのような目的を達成したいのか」】に耳を傾けた上で、共通する目的意識の中行動していると。

にしても、ここまで簡素化されているとなると、相当すごいと思うけど。

常に各々が【最も重要な仕事】【最も緊急な仕事】【最も楽しい仕事】は何かを考えながら、優先順位を調整しています。

サン・ハイドローリックスの従業員は900名ですが、アプライド・エナジー・サービス(AES)は、従業員が数万人規模になるそう。そして数万人規模でも、ちゃんと自主経営が機能していると。従業員は数万人規模ですが、1チームの人数は15〜20人程だとか。

その他

<解雇>
管理職がいないと、いつまでも成績不良者は組織に居続けるのか?他のメンバーに悪影響はないのか?
少しずつ積極的にプロジェクトへの参加を勧める同僚や、助言を求めてくる同僚が減ってくる。
結果的に「自分はチームに合わない」と感じるようになる。

<採用>
応募者は採用担当者が望ましいと思う人物像に自らを合わせようとする。会社側も、自社がいかに素晴らしいかを示すことで、就職希望者を惹きつけようとする。
両者が相手をよく知れるよう、面接は将来のチームメイトが行う。そこでは「毎日、一緒に働きたいと思うか」が重要。

ティール組織の創造

今日、リーダーシップは注目されすぎている

ティール組織は、組織全体が「生命体」と化して、同じ方向へ向いているので、リーダーシップの重要度が低いです。

ティール組織におけるリーダーは、独裁者になってはいけない、現場の細かな意思決定には参加しない、むしろ何もしない。という、昨今の良質なコミュニティを表す「自走する」状態を作り上げることが必要になってきます。

著書の中では、調査会社の社内でドリルが盗まれた例などが挙げられ、倉庫に鍵を付けることが提案されたが、倉庫内に紙を貼って「ドリルを盗むことがいかに愚かであるか」を訴えたことで解消されたことが紹介されています。このあたりで考えるのは性善説と性悪説ですが、ティール組織の「強制してはいけない」という部分にも通ずるのかなと。

まとめ

後半のぶっ飛ばし感は否めないですが、興味のある方はぜひ手に取ってみてください。

最近は【組織】や【コミュニティ】について考える機会も多く、今後も追随して関連本が出版されるのではないかと。

「理想論だろ?」と言いたくなるくらい、組織全体で同じ方向を向いているティール組織。

今までの歴史で試みた組織はどれくらいいたのだろう。。。。

ティール組織が、これからの時代、新しい形の組織として定着するかどうか、気になるところ。。。。

ちなみにKindle版がかなり安くなってます…

ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現
英治出版 (2018-01-24)
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