今回読了したのは堀江貴文『健康の結論』。
KADOKAWA (2018-08-09)
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堀江氏が以前出した『むだ死にしない技術』を読んでピロリ菌検査をしてみた身としては、こういった予防医学の普及活動はとても素晴らしいと思いますし、最先端の予防科学は予算の許す限りなるべく受けたいとも思っています。
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【防げる死を防ぐ】が長生きの秘訣
本は著者の「僕は200年生きると決めた」という一文からスタートします。
「人生100年時代」と言われている中で、あと20年もすればさらに医療技術が進化し「人生120年時代」に突入するかもしれません。
著者も言っているが、私ももっと長く生きたい。そしてそれを実現するために最も重要な結論はたった一つだと言います。
それは【防げる死を防ぐ】ということ。
「なんだそれだけか」という意見もあるかもしれませんが、これができずに多くの人が命を落としているのも現実です。
著書で紹介されている上村直実先生によると、
・日本人の場合、胃がんの99%の原因がピロリ菌
・毎年、胃がんでの死亡者は約5万人
とのこと。
ピロリ菌の検査は病院の内視鏡などでできるので、毎年約5万人が検査をしていないことで亡くなっているのです。
また胃がんだけでなく、女性による乳がんや子宮頸がんも定期的な検査による早期発見・早期治療によって、死を防ぐことができるようになってきています。
ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーは、遺伝子検査の結果、乳がんになる確率が高いことが判明し、まだ乳がんになっていないのに、乳腺除去の手術に踏み切って『予測医学』とも呼ばれ話題になりました。
(遺伝子検査の結果、乳がん感受性遺伝子である「BRCA1」に変異が見つかり、80%の確率で将来、乳がんを発症すると診断されていた)
私も上に書いたとおり、ホリエモンの普及によってピロリ菌検査を行ったうちの一人。結果的にピロリ菌はいませんでしたが、検査を受けたからわかったことなので、もしこれを読んで興味をもったという方は、ぜひ受けてみてください。
若い人はピロリ菌がいない確率の方が高いですが、0.1%でもいる確率があって、1万円以下で検査が受けられるのですから、受けていない方にはぜひ受けてみていただきたい。
第1章『働き方のアップデート』
著者は今後、人材は国境や属性にこだわらず、2つのタイプに分かれていくと書いています。
・G人材(グローバル志向型)
・L人材(ローカル志向型)
L人材が従来の働き方、会社などのコミュニティをベースに活動する人材。G人材はコミュニティなどに縛られずに活動する人材。ちなみに2つを分けるのは地理的条件ではなくマインドだとも言います。
昨今のインフルエンサーの大半は、このG人材(グローバル志向型)ですね。
また働き方だけでなくコミュニケーションの在り方についても言及しており、昭和的なコミュニケーションは捨てろと言います。
「日本はツイッターやブログの利用率が世界一高いというが、それは忖度カルチャーによる「言えないストレス」の反動」
これはみんな頭では理解しているけど、「自分で声を大にしたら潰されてしまうかも」という恐怖から、なかなか言えないことだとも思います。また抽象的に発言することはできても、具体的に声を大にすることはさらに敷居が高い。。。。みなさん、言いたいことは言いましょう笑
その他まとめ
・ストレスへの最高対策は【良質な睡眠】
・睡眠時間は最低6時間キープ
第2章『生きるモチベーション』
日本での自殺者は年間約2万人。若者の自殺が事故死より多いのは先進国で日本だけだそう。
自殺の理由で多いものは健康問題、次に経済的な問題、家庭問題、勤務問題と続くそうです。まぁ誰しも直面する悩みではありますね。
著書では、以下の3つの条件が揃うと自殺の率がかなり高まるらしい。
居場所がない。誰からも必要とされていない。孤独
②負担感の知覚
周りに迷惑をかけているという感覚。自分がいない方が周りが幸せになれるという感覚。
③自殺潜在能力
自傷行為、アルコールや薬物への依存など、自傷行為への慣れから、自殺行動への心理的ハードルが下がっている状態。
「死にたい」と言う人などを見て、上記の3点が揃っていると、自殺リスクが高まるので要注意。
また自殺者に共通するのは「辛い時に人に助けを求めない」そう。
ちなみに専門家でもない我々が「死にたい」と言われても困ってしまうので、「死にたいと言われたらどうすればいいのか」について、著書内の方法を引用しておきます。
【死にたいと言われたら】
・あれこれ口を挟まずじっくり聞く。
・道徳的な考えの押し付けやダメ出し、具体的な解決策はひとまず置いておく。
・興味本位で根掘り葉掘り質問しない。話したくなおことは黙っていてもいいという態度で。
・簡単に「任せておけ」とは言わない。
・相談先を一緒に考えてみる。他に信頼できる人や専門の機関はどこかを考える。
・「誰にも言わない」という約束をしない。言いふらすことと相談は違う。
・「話してくれてありがとう」と言う。相手が相談するのは良いことだと思えるように。
・過度に共感しなくてもいい。
・自分も第三者に相談する。
この「第三者」というのは、できれば地域の保健センター、保健所、精神保健福祉センター、医療機関などがオススメだそう。
第3章『命を救う行動力』
日本では突然死も多く、毎年約7万人が突然死しているらしい。そしてその中でも4割はまったく前触れもなく心停止してしまうというからおそろしい。
予測できて予防しやすい心停止の例は以下のものが多いそう。
・冬季の入浴中による心停止は夏場の11倍(体温の急激な変化で心臓に負担)
・運動中による心停止(急激な運動による心臓への負担)
そして予測も予防もできない心停止については、その後の救命措置によってかなり変わります。
医師ではない一般人が、突然の心停止を目撃した場合にできることは3つ。
①119番通報
②心臓マッサージ
③AED
ほとんどの人がどれも経験がない、あっても①だけの人が多いと思いますが、心停止の場合、①だけだと救命率9.2%だそう。
①②両方をやった場合16.1%、①②③すべてをやった場合、なんと54.0%という数字が出ているらしい。これはすごい。
ということで、少なくともこれを読んだ人には、ぜひ①②③すべてを迅速にできるようにしていただきたい笑
医師ではない一般人が、これだけ貢献できる現実を改めて覚えておきたい。
心臓マッサージやAEDの使い方はこんな感じ。
AEDがどこにあるかは、こんなサイトもあります。
緊急事態にこのサイトから探していたら結構時間かかっちゃいますが、自宅近くのどこにAEDがあるかを見たりする分には結構良いサイトです。
ちなみに自分の自宅周辺を探してみたら、近所のライオンズマンションのエントランスにありました笑
自宅周辺にAEDがない人は個人導入も手ですが、めちゃくちゃ高額な上に2年に1回メンテナンスが必要で、ランニングコストまでかかるという現実…
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まぁこれで命が助かるんなら安いんですけどね…
また、心停止直後の人には痙攣や、死戦期呼吸という症状があり、これが「呼吸している」と判断されて、AEDが使用されないケースがあるらしい。
心停止を目撃した人がAEDを使う確率は4.5%ほどと、めちゃくちゃ低いのは、
「パニックになってAEDという発想にならない」
「どこにあるかわからない」
「使い方がわからない」
「使っていいケースかわからない」
という感じなので、死戦期呼吸を知ることも大事ですが、【わからなかったらとりあえず使う】というのは覚えておきたい。
著者は、AEDが高額であることと、コンビニなど誰でもわかるところに設置できるようにと書いており、本当にそうだと思います。
コンビニなら基本24時間営業だし、人通りも多くわかりやすい。
調べたかぎり、コンビニが全店あげてAEDを導入したという情報はないですが、ブランディングなど、打算的に見てもAED導入はかなり良いんじゃないのかなーと。セブンイレブンさん、よろすく。
第4章『がんで死なないために』
胃がんの多くがピロリ菌感染からであり、ピロリ菌は簡単な検査で防ぐことができることは前作や上でも書いていますが、その他にも、たくさんの予防できるがんがあります。
まずは肝臓がん。かつてはアルコールの飲み過ぎが原因と言われていましたが、それは複合要因の一つにすぎず、多くは肝炎ウイルスの感染が原因だそう。なので肝炎ウイルスの有無を調べれば簡単に防げるのです。
調べたら、東京都のように、無料で肝炎ウイルス検診を行っている自治体もたくさんあるので、ご自分のお住まいの地域の肝炎ウイルス検診をチェックしてみましょう。
次に大腸がん。
大腸がんの原因は生活習慣が大きく関わっていますが、早期発見できればかなりの確率で防げます。大腸がんのほとんど大腸ポリープから生まれます。そして大腸ポリープは、便潜血検査(便から腸の出血の有無を調べる)を行い、出血があったら内視鏡で確認・切除という流れ。
ポリープが見つかったとしても、実際にがん化するには数年かかるので、それまでに切除すれば大腸がんは防げるのです。
上記のように自治体での検診でもいいし、時間がない人には簡単な検査キットなどもあります。
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大腸がんの多くは40歳過ぎてからが多いので、40歳を過ぎたら年に1回は便潜血検査を受けるのがオススメとのこと。
健康な時こそ定期検診を。
第5章『脳をクリアに保つ』
日本の三大疾病の一つ、脳卒中。脳卒中とは、「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」の総称で、少しずつ脳卒中で死ぬ人は減ってきていますが、脳卒中の多くは後遺症が残るため、患者数は増加傾向にあるとのこと。
くも膜下出血は若い人でもなることがあるので、2年に1回くらいは脳ドッグを受けておけば安心。
脳出血の原因はほとんど高血圧なのと、アルコールと密接な関係があり、多量飲酒を続けているとかなり確率が上がってしまうらしい。
<脳卒中の初期症状>
・頭痛
・手足の脱力、しびれ
・視野が狭くなる
・バランス感覚がおかしくなる
・ろれつが回らない
また「一過性脳虚血性発作」という初期症状があり、これは突然手に力が入らなくなったり、ろれつが回らなかったりするが、10分ほどで消える症状。10分で症状が消えるので治ったと思って放置してしまいがちですが、放置していると数日後に脳梗塞になる恐れがあります。
周りの人にこういった症状があらわれたら、必ず救急外来に行きましょう。
<脳卒中予防として気をつけること>
・高血圧
・糖尿病
・高脂血症
・タバコ
・飲酒
第6章『いま知っておくべき「HPV」とは?』
HPVとは『ヒトパピローマウイルス(Human papillomavirus)』の略で、子宮頸がんの原因となるウイルスです。ちなみに女性だけでなく男性のがんを引き起こす可能性もあるので、アメリカやカナダでは男性の予防も推奨されています。
HPV自体は珍しいウイルスではなく、性交渉を行なった人の80%は感染があり、かなりの頻度で喉頭などにいるようです。100種類以上の型があり、10%ほどががんの原因になりうるHPVで、長い期間特別な症状もなく潜伏し、持続感染によってがんを引き起こすと。
HPVは検査をするのが結構大変で、感染部位をぬぐう必要があります。そのため陰部は陰性でも、喉頭は陽性だったり、自費で2万円ほどかかるそう。また陰部全体を調べるのは、取りこぼしを含めるとかなり検査自体の信憑性が乏しくなり、泌尿器科でおこなっている病院は少ないそう。
著者は「感染の有無を調べるハードルが高い」「HPVを完全に排除する薬はない」という理由から、感染の有無に関わらずワクチンを摂取という方法を選んでいます。ワクチンは年3回摂取で計6万円ほどとのこと。
ワクチンやHPV検査は金額的なものも含めハードルが高いですが、子宮頸がん検診ならどこの自治体でも行なっているため、著者はこのように書いています。
「これを読んでいるのが女性なら、最後にいつ婦人科検診をしたか思い出してみてほしい。もし受けたことがなければ、まずは一度婦人科へ。最後の検診はもう数年前という人も、ぜひこの機会に検診を予約してみてほしい」
第7章『歯周病予防で全身を守る』
ビジネスがうまくいってない人が確認する事項。#健康の結論 pic.twitter.com/MGOAGwo1gi
— ノリオメモ (@noriomemo) 2018年12月7日
歯の重要性はこの本だけでなく、あちこち言われていますが、それでもなかなか歯周病の臭いがする人は一定数います。会社にいれば何人か思い当たる人はいるのではないでしょうか笑
私も歯の神経抜歯の刑を受けてからわりと深刻に考えるようになりました。
関連記事:歯は日頃のケアが大事
歯ブラシのみで「完全に綺麗に磨けた!!」と思ってフロスをやると歯垢が付着するのを見てからは、フロスをやらないと「歯が汚れている」という恐怖が頭をよぎり(間違ってはいないいんだけど)、毎日フロスを何本も使うようになりました。
ちなみに1回にフロスを10本〜20本使うので、たまに「使い過ぎ」と言われるのですが、一度歯間を通したフロスはすでに汚れているので、そのフロスで他の歯間に通してしまうと、汚れを移動させただけになります。なので新しいフロスを使うか、ティッシュなどで汚れを取る必要があります。ティッシュで汚れを取るのは面倒なので、私はバンバン新しいフロスを使っているだけです。使用フロスは108円で70本入っているダイソーのフロスがコスパ最高なので、行くたびに大人買い。
これもあちこちで言われていることなので知っている人も多いと思いますが、歯周病は脳卒中や心筋梗塞の原因にもなりえます。
1990年代のアメリカ・カナダの合同研究において、心疾患で亡くなった5,000人の心臓を解剖した結果、90%以上の人から口腔内細菌が見つかったという事実からも、いかに歯周疾患が恐ろしいかわかります。
予防のポイントとしては、
・歯磨きだけでなく、フロスなどを使用して口腔内を清潔に保つ
・口呼吸は口腔内を乾燥させるので、鼻呼吸する
・喫煙も大きな危険因子
・3か月に1回は定期検診
また犬歯のストレッチもオススメとのこと。
【犬歯 ストレッチ】で調べてみるも、あんまり情報がありません。
【犬歯 レジン】で調べてみたら多少出てきました。
犬歯に足す|削らない|小机歯科医院|横浜市港北区の歯医者|新横浜
ただ、やっている歯医者が少ないのか、費用などもあんまり記載がないですね。一部、9,000円くらいという歯医者さんはありました。まぁ興味があれば探してみてください笑
第8章『ホリエモンの予防医療サロン』
ラストの賞では落合陽一氏を交えて、予防医学やこれからの医療について語っています。
・落合陽一寝てなさ過ぎ問題
・iPhoneのベッドタイム機能が意外と使える
・ホリエモンが老けないのはNMNの効果?
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NMNとは「ニコチンアミド・モノヌクレオチド」の略で、体内でエネルギー代謝に不可欠なNAD(ニコチンアミド・アデニンジヌクレオチド)が加齢と共に体内合成が低下するのを防いでくれるらしい。。。。
まだよくわかっていないことも多そうな成分ではありますが、若返りの薬、ちょっと興味あります。
(まだちょっと値段が高いけど)
未来の“若返り”サプリメント「NMN」の研究|WIRED.jp
まとめ
量的にはめちゃくちゃ多くなく、結構読みやすい上、いい感じに最先端の予防医学などがまとめられていてオススメです。
こういった予防医学などの本は、大先生の難しい本が多いので、ホリエモンみたいな【予防医学キュレーター】はもっとたくさん追いたいところ笑
【民間療法キュレーター】との見分け方が難しいところですが、そのあたりはたくさん消化して、信頼できるキュレーターを探すしかありません。
(一般人からは医者の上下レベルなんてわからないし)
ということでオススメ!!
防げる死を防げ!!
記事を書いている人
ノリオメモ(@noriomemo )
株式会社NOOE.TOKYO 代表取締役兼COO。美容健康系メディアなどの運営を経て、2018年5月、起業家と投資家をマッチングさせる『CHAINS』をローンチ。
2018年7月からはオンラインサロン『ノリオンラインサロン』を主催。遊ぶことに命かけてる。アソ部主催。
記事広告や体験レポート執筆などのご依頼はいつでもお待ちしております。新しいサービス大好き。
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