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落合陽一『日本再興戦略』を読んで、新時代の生き方と働き方を考えろ

投稿日:2018年11月10日 更新日:

最近は『news zero(ニュース ゼロ)』にも出演中の落合陽一氏。

今回読んだ本はこちら。

日本再興戦略 (NewsPicks Book)
落合 陽一
幻冬舎 (2018-01-31)
売り上げランキング: 524

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落合陽一の3つの再興戦略

これからの日本再興のために、著者自身が今、行なっている3つの戦略について。

①経営者としての企業経営

経営している『ピクシーダストテクノロジーズ』は、トヨタ系やソニーといった日本企業と一緒にイノベーションを手がけており、今ままでとは違うスタイルのイノベーション開発を目指していると。

②メディアアーティストとしての活動

個人的には、落合陽一といえば、ホリエモンドットコムでの紹介映像で見た『メディアアーティスト』としての活動が一番最初の触れ込みでした。

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「絢燗(けんらん)だった平安時代に対して、鎌倉時代はとても質素です。国が違うぐらい文化が違います。日本の文化の中でも、中国文化を踏襲(とうしゅう)したものもあれば、そこから禅、わび、さびのように日本独自の発展を遂げたものもあれば、絢爛な精神性、つまり世阿弥(ぜあみ)の絢爛な精神性は持ちつつ、表面には出てこない能面のような概念もあったりします。日本文化も各時代でいろいろと変わってきていますので、それをもう一回ほじくりかえしたり、こねくりまわしたりしないと、本来のクールジャパンの素地、正体がわかりません

③大学での活動

現在著者は、筑波大学では准教授に加え、学長補佐を務めています。

学長補佐とは、大学の未来のビジョンを打ち立て運営を考える組織なので、29歳で筑波大学の学長補佐室の一員になった著者が今後、定年まで筑波大学に勤務した場合、30年以上。その間に、【日本の大学はどうあるべきか】【世界レベルの研究環境】を整えることが自らの責務だと著者は言います。

『欧米』は存在しない

これからの日本を考える上で、他の諸外国を知ることはとても重要です。ということで、まずは我々が普段使っている「欧米か!!」の欧米について考えます。

「欧米(おうべい)とは、ヨーロッパ州(欧州)とアメリカ州(米州。北アメリカ州と南アメリカ州)の3大州を指す。」

wikipediaより

そして著者は、『欧米』は存在しないと言っています。

・『欧米』というものは存在しない
・欧州と米国は全然違う
・高度経済成長の正体は【均一な教育】【住宅ローン】【マスメディアによる消費者購買行動】の3点セット
・日本の大学の基盤は欧州式だが、戦後そこにアメリカ式を組み合わせた形
・日本の刑法はドイツ式を参考に制定されているが、民法はフランス民法が基盤
・大日本帝国憲法はドイツ憲法が土台だが、日本国憲法は米国の考えを取り入れている
・日本は外来的に入ってきたものすべてを「欧米」と呼んで組み合わせている

「我々は「欧米」という言葉を使うことをとりあえずやめたほうがいい。「欧米」ではなく、米国、英国、ドイツ、フランスというふうに国の単位で語るべきです。また、いつの時代の、どの国か、ということも重要です。そうするだけで、議論がとてもしやすくなります。具定例がなく、普段、何気なく使っているくせに意味を言えない単語が我々の言葉には多すぎる

日本型イノベーションを定義

・戦後の工場は同じものを大量生産することに集中していたが、今は、個々人のニーズに合った多様なものを柔軟に生産することを求められている
・リーダー層は、頭が切れて、世の中のニーズが読めて、フットワーク軽く動けるようにならないといけない
・マンボウの産卵のように99%が死んでも、産卵し続ければ成魚がどんどん増えていく
・学ぶべきは、シリコンバレー型、シンガポール型、中国深セン型のようなスピード型

公平に拘り、平等に拘らない日本人

【平等】と【公平】、一見似ているような気もする二つの言葉ですが、意味の違いを即答できる人は多くないと思います。

平等とは、対象があり、個人の資質、能力、努力、成果に関係なく、権利が一様であること。
公平とは、何かの権利を分配する際に、すべての人に機会が均等に与えられ、成果を上げた者に分配されること。

似ているようで全然違います。そして日本人は、この【平等】と【公平】を勘違いしているのです。

私が会社員時代に感じていた違和感を紹介します。

会社やアルバイトをしていると【交通費の支給】がありますよね。例えば、Aさんは家が町田で新宿が職場だった場合、往復交通費は740円になります。Bさんは恵比寿に住んでいたとしたら新宿までの往復は320円です。

でも働きは同じですよね?

しかもお互い好きで各々の場所に住んでいるのに、交通費に関して差が出るのってフェアじゃないですよね?

と、思うのは私だけでしょうか?

私は会社員時代、わりと遠方から通っていたため、交通費に関しては優遇されていたのですが、優遇されている者としての違和感は感じていました笑

わかりやすい例だと【男女平等】。飲み会などで男性の方が多くお金を支払ったりする場面が多いのは、男女による平等意識が低いからです。

こあたりについて著者は、

・公平にジャッジすることには拘るべき
・口先だけの平等を隠れ蓑にして、必要以上に権力を得ようとする試みには賛同できない
・今日本に求められている【平等】と【公平】は、適材適所を肯定できるロジックと、それに齟齬が発生した場合に制度変更できるような臨機応変さ
・50:50の間違いの平等意識を正し、最適な割合を常に探す

と述べています。

【普通】という概念

「普通(ふつう)とは、広く通用する状態のこと。普通の『普』は、「あまねく」「広く」を意味する字である。」

wikipediaより

簡単なような深いような…

昭和時代にマスメディアが作り上げた【普通】の概念を、平成に持ち込んでしまったことで、多様性が失われている昨今。

夢のマイホームから始まり、結婚式や結婚指輪。お墓にしてもそうです。

結婚指輪に給料の3か月をかけなければいけない理由なんてないのに、「それが幸福である」「当たり前である」と勘違いしている人は多いです。

「多くの人は、普通こそが天地神明(てんちしんめい)だと思っていて、全てのことを「普通」で片付けます。しかし実際には、普通が一番だと思っているのが、一番の間違いなのです。普通は多くの場合、最適解ではなく、変化の多いときには、足かせになるのですから」

また拝金主義についても述べており、

「僕もお金の話をよくするのですが、それは「お金はたかがツール」だと思っているからです。家に帰ってきて電気をつける、という「電気」くらいに、ビジネスや研究にとってのお金を考えています。しかし、世間にはお金が神様だと思っている人が多すぎます。それはマスメディアのせいです」

何かをするのにはお金が必要なことは多いですが、それは価値交換のためのツールに過ぎないので、それ以上でもそれ以下でもありません。

テクノロジーが世界を変える

シェアリングエコノミー

最近はシェアリングエコノミー系サービスの台頭によって、スマホで手軽にサービスを受けれるようになりました。

UberEATSがあれば、家の中にいてもご飯が注文できるので、外食に行かずとも簡単にご飯が食べれるようになりました。「宅配は昔からあるじゃん?」という意見もあるかもしれませんが、それだとお店探しをして、毎回自分の名前や住所を告げて、玄関で支払いをしてーと、全然手間が違います。UberEATSなら、スマホで簡単に料理を選べて支払いもスムーズなのです。

そしてAmazonのPrime Nowがあれば、わざわざコンビニに行かずとも日用品を届けてくれます。
(私は使ったことないけど)

今は両方共、配達にマンパワーを要しますが、これがロボットが運ぶようになったら、今よりもコストが下がり、普及も拡大するはずです。

車の自動運転も日々進化しているので、いずれは「好きで運転している」という人以外は運転しなくなっていくでしょう。

自動翻訳機の精度がさらに上がれば、英語が学校の授業からなくなるかもしれません。

そしてこれらから推測できることは、都心に住まなくても受けられるサービスは日々増えてきますし、都心に住むメリットはなくなってくるでしょう。

そして自動翻訳が発達すると、日本のサービスを世界に出していきやすくなります。

5G(第5世代移動通信システム)

もう一つ大きなキーワードになるのが5G(第5世代移動通信システム)。

現在スマホなどで使用しているの通信規格は4GやLTEなのですが、5Gになることで「高速大容量」「低遅延」「多接続」を実現し、より快適なネットライフになることは間違いありません。

そのあたり日本のインフラはとても優れているらしく、すでに日本全土に携帯電話網が広がっているので、うまくインフラ投資すれば5Gも日本全土に広がります。他国に先駆けて5Gのインフラが整えば、それだけ5Gを活かしやすくなるし、有利に働くのです。

単純に暮らしやすくなるだけでなく、リモート会議、自動運転、3次元中継、遠隔手術、遠隔介護、子供やペットの見守りなど、さまざまな分野が発展していくことになります。

人口減少と高齢化はチャンス

人口減少や高齢化は、日本再興をするにあたってネガティブに捉えられがちですが、著者はチャンスだと書いています。理由はこちら。

・人口減少と高齢化によって、機械化してもネガティブな圧力がかかりにくい
・高齢化が早く進む分、高齢化に向けた実験をやりやすい
・「子供は少なくて貴重」となり、人材の教育コストを多くかけられるようになる

その他要約。

・今後の日本では機械化と省人化が肝
・移民を受け入れてまで人口を保つ必要はない
・2060年には日本の人口は8000万人になる
・6000万人くらいまで減っても、機械化によって一人当たりの生産を増やしていけば、GDPを成長させることは可能
・2060年には中国は日本並みに高齢化
・中国にロボットを含めたサービスを売り放題
・日本製は部品ベースで考えると質が高く、中国が簡単に真似できない

日本はトークンエコノミー先進国

日本はビットコインなどの仮想通貨をはじめ、VALUやタイムバンクなど、トークンエコノミー先進国です。

ちなみにビットコインなどのブロックチェーン技術を使った通貨は『仮想通貨』よりも『暗号通貨』という名称の方が正しいです。

VALU | ノリオメモのVALU
(こっそり私のVALUも宣伝)

『仮想通貨』というと敷居が高そうですが、TSUTAYAのTポイントやローソンのpontaポイントも仮想通貨ですし、日本ほど仮想通貨が溢れている国はそうそうありません。

AppleもGoogleもシリコンバレーの企業ですが、私たちがiPhoneやAndroidを購入したり、アプリを購入したりする度に、数%がシリコンバレーに吸い取られているわけです。

当たり前の話ですが、よくよく考えればなかなかすごい話ですよね。。。。

シリコンバレー(カリフォルニア州北部)にある企業はこんな感じ。

Google
Apple
Facebook
Instagram.
YAHOO!
Adobe
paypal

(ちなみにAmazonはワシントン州シアトル)

こうした状況に終止符を打ち、ローカルな経済圏をつくるための武器となるのが、ブロックチェーン化であり、トークンエコノミーだと著者は言います。

ビットコインの未来を占う「3つの問い」

2018年11月現在も不安定なビットコインですが、ビットコインの未来を占う重要な問いが3つあると著者は言います。

・実世界で本当に使うのか
・本当の非中央集権とはなにか
・オールドエコノミーとの戦いに勝てるか

通貨というのは投機の対象のみに傾いてしまうと、チューリップバブルのようになってしまいます。

三菱UFJ銀行が開発中の『coin(MUFGコイン)』や、みずほ・ゆうちょ・地方銀行が共同で作っている『Jコイン』など、日本でもこれからどんどんトークンが発行されるようになりますが、重要なのは、他のコインやポイントと交換可能になり、実際の購入に使用可能になることが決定的に重要だと著者は言います。

そして本当の非中央集権とは、個々のプレーヤーが好き放題やることではなく、そこに参加している人全員が利益を享受できるような世界だとも言います。少し綺麗事にも聞こえますが、そのためには個々の時価総額を追求するのではなく、市場全体の規模、「どうやって人類全体のためになるゲームをつくれるか」が重要になってくると。全体の利益、公共の利益を意識すべきとも言います。

オールドエコノミーとは、ウォール街の投資銀行を指しており、彼らは今までの法定通貨を守るために、ビットコインの市場に投機マネーを流入させて、相場を混乱させようとしています。新勢力が負けないためには、ビットコインを一番多く保有している日本人が、オールドエコノミーに負けないよう、ビットコインを守らなくてはいけません。

これを読みながら、やはり一番難しいと思うのは【本当の非中央集権とはなにか】の部分であり、このあたりのリテラシーが上がってくることで、ビットコインを守られ、より実社会で使用しやすい土壌が出来上がってくるのかなと思います。

リーダー2.0

著書では、リーダーの在り方についての言及しており、とても興味深かったのでまとめます。

リーダー1.0:一人で何でもできて、マッチョで強い人。

リーダー2.0:何か一つ尖っている能力がある人。

要するに、自分ですべてができる必要がないのです。足りない部分は他の参謀に任せればいい。

そしてそんなリーダー2.0には3つの条件があると言い、1つめは【弱さ】。「支持者を増やす」にも通ずるところがありそうですが、共感性の高さが求められます。

2つめの条件は【意思決定の象徴と実務権限の象徴は別】。ちょっと難しく聞こえますが、要するに、自分の得意分野に特化すればよくて、それを統括する人がいないという状況。非中央集権的ですね。

3つめの条件は【後継者ではなく後発を育てる】。自分の後を継ぐ者ではなく、同じような思想を持った、新しいジャンルやビジネスを作っていけるような人材を育てられる人です。

リーダー2.0に必要なのは【憧れて近寄りがたい】ではなく、【この人が地球上からいなくなったら寂しい】という存在だと言います。

まとめ

落合陽一氏の著書を何冊か読んでいれば重複している部分も出てきますし、SNSで動向を追っていれば、思想や意見などはある程度予想がつくのですが、それでも新書が出ると読みたくなってしまう不思議。このレベルになるといくら追いかけても追いかけきれないし、追いかけるという発想自体が間違っているのかもしれない…

そしてこの本、注釈が多すぎる!!

注釈を読んでいるだけで勉強になる気がします笑

そして著者、10月に新刊を出したと思ったら、11月にも!!!!!!

ニッポン2021-2050 データから構想を生み出す教養と思考法
落合 陽一 猪瀬 直樹
KADOKAWA (2018-10-31)
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記事を書いている人

ノリオメモ(@noriomemo )

株式会社NOOE.TOKYO 代表取締役兼COO。美容健康系メディアなどの運営を経て、2018年5月、起業家と投資家をマッチングさせる『CHAINS』をローンチ。

2018年7月からはオンラインサロン『ノリオンラインサロン』を主催。遊ぶことに命かけてる。アソ部主催。

記事広告や体験レポート執筆などのご依頼はいつでもお待ちしております。新しいサービス大好き。

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