堀江貴文、井川意高。二人に共通するのは【東大から刑務所へ】という経歴。
私は「会社の金を100億円以上もカジノで熔かして捕まった男がいる」という話を聞いて、すぐにこの本を読みました。
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井川意高。大王製紙の創業家に生まれ、幼い頃から英才教育を受け、東大を出て大王製紙へ。そして当たり前のように社長から会長という、この境遇で生まれてこなかった我々凡人からは、夢のようなストーリーですが、著書の中では、創業家に生まれた苦悩や、社長会長としての苦悩も綴られていました。隣の芝生は青く見えるものです。
結果的には、刑務所に入って地獄を見ることになるわけですが、何の因果か、先に同じ道を歩いていた堀江貴文氏と共著で本を出版することに。
本を読んでいると、二人が刑務所に入る前から面識はあったようですが、こうやって共著で、しかも【刑務所】に関する本を出版するとは誰が予想できたか。
この本は、上記の『熔ける』の続編として捉えており、井川意高氏の逮捕後のストーリーとして読んでいます。
堀江「眠剤でも飲まなきゃ頭がおかしくなっていた」
前半は、各々のこれまで歩んできた人生や逮捕までのストーリーが語られます。
このあたりは井川氏は『熔ける』で、堀江氏は『徹底抗戦』などで語られているものとさほど変わっていないと思うので、読んでいる人は割愛しても問題はないかなと。
刑務所に入った二人ですが、意外と?ホリエモンがダメージを受けていたようで、山崎豊子の『沈まぬ太陽』で涙したり、今まで口にしていなかった精神安定剤や睡眠導入剤を服用していたとのこと。日頃のホリエモンのTwitterを見ていたら、あまり想像できないですが、それでもどうにかなってしまいそうなくらい追い詰められてしまうとのこと。
『沈まぬ太陽』に関しては、JAL便の御巣鷹山墜落事故について描かれており、出所後、御巣鷹山まで慰霊登山をしたとのことで、よほど感化されたのでしょう。
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また、これは経験者にしかわからないことかもしれませんが、K-1の石井館長から毎日花を差し入れてもらっていて、それがとても有り難かったらしい。
普通に日常を過ごしているとあまり気にも留めませんが、殺風景な部屋に花があるだけでとても気持ちが安らぐようです。このあたりは経験者にしかわからないのかもしれませんが、そういう境遇の人には花はとても良いみたいですのでぜひ。
また手紙なども、あまり塾考して書くよりも、思ったことをメール感覚でどんどん書いた方がいいとのこと。刑務所にいると情報に飢えているし、メールやLINE感覚で、思ったことをどんどん送った方がいいそうです。
刑務所にだって世間がある
これは経験していなくてもある程度想定できることだけど、刑務所内ではクセの強い人間も多く、「嫌ならやめる」というように逃げ出すこともできない。
面倒くさい奴もいれば、凶悪犯もいる。下手に喧嘩したら懲罰にもなりかねないのでいなすしかない。愚痴を言えばどこかでチクられる可能性もある。そんな中で何年何ヶ月も過ごしていたら、たしかに気は狂いそう…
刑務官もクセの強い奴がいたり、中には人権侵害ともとれるようなひどい仕打ちもたくさんあったよう。
いろんな仕打ちや拷問があるけど、やはり【逃げ出せない】というのが一番キツいかな。。。。
府中刑務所のカレーは絶品?
・長野刑務所はメシが美味い
・喜連川刑務所はメシが不味い
など、刑務所によって当たり外れがあるようですが、こればっかりは運ですからね笑
この本の話ではないので、少し話がズレてしまうのですが、府中刑務所のカレーは相当美味しいらしい。
以前、テレビで見たのですが、ヤクザの組長が出所後にすぐに高級ホテルのカレーを食べたそうですが、「府中刑務所のカレーの方が断然美味い」と言っていて、たしかに味覚が慣れるということはあれど、あちこちから美味しいと聞く府中刑務所のカレーは食べてみたい。。。。
ちなみに府中刑務所は毎年文化祭を開催していて、どうやらそこで食べれるらしい。
2018年。今年はぜひ行きたい。
こちら、去年のチラシ。
まとめ
人生80年、100年。その内の2年3年を自由の効かない刑務所の中で過ごすのは心が折れます。
特に堀江氏は逮捕に関して、いまだに納得していない部分があり、それに対する精神的ダメージは計り知れません。
そんな中で堀江氏も井川氏も、きちんとお勤めを果たし、再起に向けて前を見ています。
堀江『特捜検察に逮捕されるまでの僕の人生は、今思い返せばうまくいきすぎだったのかもしれない。人に対して横柄な態度をとったり、感謝の気持ちや謙虚さを忘れていた側面もあったのだと思う。いい気になりすぎていた場面もあるだろう。そのことを快く思わない人たちによって、僕は足をすくわれてしまった。そして人生をメチャクチャにされ、刑務所という最悪の環境に落ちぶれてしまった。インターネットの未来を信じて、休むことなく突っ走り続けた人生が、強制的に、止められてしまった。ものすごく無駄な30代後半を過ごしてしまったと思っている。しかし、そのことを今悔やんでも、仕方がない。』
人生とは辛いものです。過去の失敗や不運を、誰かのせいにしたり、後から嘆いても仕方ありません。
頭ではわかっていても、いざ自分に不運が降りかかると、感情的になってしまったり、冷静ではいられなくなるかもしれません。
そういう時に、この言葉を思い出して、きちんと前を向くようにしたいと思います。
人生は常に自分のためにありますし、常に今しかありません。
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