今年に入ってから、ビジネス系のセミナーやイベントに行く機会も増えたのですが、企業が大衆を前に自社の説明をする時に、避けては通れないのがスライド。
そして、そのスライドをわかりやすく説明するために欠かせないのが図解。
今回紹介するのは、そんな図解のことをわかりやすく教えてくれる図解バイブル。
それがこちら。
吉澤準特氏の『外資系コンサルが実践する 図解作成の基本』。
<吉澤準特プロフィール>
外資系コンサルティングファームにて専門領域における日本支社の実務責任者を務め、ビジネスからシステムまで幅広くコンサルティングを手がける。プロジェクトマネージャーとして、数百億円規模のシステム運用改善、あるいは組織改革、人材育成に携わることも多い。ITサービスマネジメントの世界基準である、ITIL Managerの有資格者でもある。業務が広範囲にわたるため、組織の責任者、中間管理職、現場担当者といった、あらゆる層を対象としたコミュニケーション・折衝の経験が豊富。社内の新人研修責任者を務めたこともあり、新人コンサルタント育成の手法についても詳しい。
ファシリテーション、ロジカルシンキング/ラテラルシンキング/クリティカルシンキング(問題解決思考)、ビジネスフレームワーク、資料作成術に詳しい。
ちなみにこちらは、現在REQUで発売している【はあちゅうサロンブロガー部によるPR記事執筆】からのPRになります。
はあちゅうサロンブロガー部によるPR記事執筆 by hachusalonさん – REQU [リキュー]
この本を読んでいるノリオの図解力
まずはこの本を読んでいる私の図解力から。
私は今まで図解というものを作ってこともないですし、絵のセンスなども皆無です。
最近、オンラインサロンをスタートさせるにあたって、その説明のために図解を2つ作ってみました。
関連記事:オンラインサロンを開設します|ノリオンラインサロン
1枚目は従来のオンラインサロンについての説明、2枚目は自分がやりたいと思ったオンサロンサロンの説明。ちなみに人物画像はフリー素材です。
私ができるレベルはこんな感じ。テキストとフリー素材を並べること。そして□や◯を使ったり、矢印を挿入するレベル。ちなみにMacBookのkeynoteで作りました。
絵の技術はこんな感じ。超絶下手です。
(ツイッターのアイコンを見て書いた)
というわけで、超絶図解に向いていない私ですが、これを読むことで図解は上手になるのでしょうか。
図解の効果を考える
図解とは、伝えたいことを文章ではなく図を用いて「わかりやすく」説明することです。
これは「図解」という言葉を聞いたことがある方なら一致している認識だと思いますが、この次が結構目から鱗でした。
例題に沿って図解が3枚紹介されるのですが、「どれが一番わかりやすいか」のアンケートで、カラー印刷での結果と、白黒印刷での結果の回答が違うというのです!!
もちろん、自分が作った図解は自分が意図した形で提供するのが基本ですが、状況によっては「白黒にせざるを得ない」状況も出てくる可能性があります。そういった特定の状況下で、わかりやすい図解を作成するのもテクニックの一つと。
図形の見せ方を考える
本書では、図形は「線ではなく面で表す」と記載されています。
これは言葉で伝えるよりも、図で伝えた方がわかりやすいと思うので、本書から抜粋。
こうやって比較するとわかりやすいですが、感覚的にも上の画像より下の画像の方がわかりやすいですね。これは文字の入った図解でも、枠線を消すだけで、文字に集中して、かなり見やすくなります。
また色使いについても、図形に使う色は必要最低限に絞る方が効果的とのこと。
学生時代のノートを考えても、無駄にたくさんの色ペンを使って綺麗にしても、ごちゃごちゃして逆に見づらいことがありますよね?図解でも同じことがいえます。
そんな時は、白黒の混合で構成された「無彩色」を使うのがオススメです。
しかし、無彩色の図は主張を読み取りづらいので、一番伝えたい部分に有彩色を使ったりと(アクセントカラー)、このあたりはかなりセンスが問われるところ。
本書では、ベースカラーの選び方について、【理性に働きかけるベースカラー】から【感情を揺さぶるベースカラー】まで、ベースカラーの効果についても詳しく記載されています。
その他、
・図形のサイズ
・図形の整列
など、図形の見せ方について細かく指南されています。
図形の使い方を考える
この章では、以下の5つについて。
・つながり【線、矢印、円弧】
・まとまり【大かっこ、中かっこ】
・変化【矢羽、三角形、各種ブロック吹き出し】
・補足【四角形、丸四角形、各種吹き出し】
図解初心者は何気なく使ってる矢印ですが、本書では、矢印だけでも5種類を用途別に使い分けています。
また矢印以外の使用方法などを、例付きで指南してくれています。
図解のパターン化を考える
この章では、図解のパターンを6種類16タイプに分類しているのですが、さすが図解の本、超絶わかりやすく分類されています。
どん。
初心者が図解を作りたいとなった時に、このパターンを参考に図解したら、結構いい感じの図解に着地できそうなくらい、わかりやすく目的別にパターン化されています。
こちらはサンバースト図。
サンバースト図とは、階層化されたデータをドーナッツ状のグラフで表したもので、1つの数値に対して複数の項目が設定できるので、大分類・小分類に分かれているデータに向いています。
こういうのってフォトショップやイラストレーターなどでイチから作るのかと思いきや、エクセル上で結構簡単に作れるんですね。
(そんなことすら初めて知った)
まとめ
さすが【わかりやすさ】を追求した図解本だけあって、非常にわかりやすかったです。
また【Good】【Not Good】と、見やすい図解、見にくい図解の例を出してくれていたり、「なぜ見やすい図解とそうでない図解になるのか。そしてその決め手は何なのか」が解説されているので、わかりすく自分の図解を修正していくことができます。
図解を感覚的に良くしていくのではなく、ロジカルに良くしていくことを目的に作られている本なので、初耳ワードが多く難しい部分もありますが、適宜ググったりしながら読み進めていけば、そんなに問題なく読了できるかと。
・図解や資料をどう構成していいかわからない
という人から、、、、
・サービスのUI/UXを向上させたい
という人まで、図解以外の応用にも活かせると思います。
図解も音楽もファッションも、足せばいいってもんじゃない!!引き算が大事なのだ!!
ちなみに著者の吉澤準特氏、Twitterでも頻繁に図解を出してくれているので、図解初心者は要チェックです。
虫歯になりやすい飲み物のpHスケール#図解作成の基本(データスケール)
虫歯になりやすい飲料は
pH(ペーハー)値が酸性寄りです。
pH5.5から歯のエナメル層が溶け始めるため、
日常的に紅茶を飲んでいる人も虫歯に注意。pHが低い飲み物を飲んだ後は、水で口を漱ぎましょう。 pic.twitter.com/CTp8ezhKfi
— 吉澤準特/『図解作成の基本』6/23発売 (@juntoku_y) 2018年7月16日
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